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12/5 2022

特別講演会

「河川ポンプ設備の排水機場における異常検知「AI」の開発と
                         試行検証」

講演者: 株式会社ニュージェック DX推進部 主任  八木 悟 氏

 本講演では、株式会社ニュージェック・八木悟氏(同社DX推進部主任)を招待し、第1に、国土交通省地方整備局等が管理する排水機場において、常時運転監視モニタリングシステムを構築したテストベットを対象にして、低コストで効率的な維持管理・更新を目的とした大型ポンプ設備の異常検知「AI」を開発し、実際の計測データに基づく試行検証を行った成果についてご紹介いただきました。第2に、同氏が業務上で手掛けたAIの応用事例として、航空写真による建屋の被災状況の早期把握、簡易写真による被災した擁壁復旧の早期計画、橋梁の挙動観測AI、盛⼟の⼟質調査AIなど、大手の総合建設コンサルタントならではの大スケールの調査・開発業務についての事例が、豊富なご経験を含めて紹介されました。建設界におけるAI応用が、これまでの研究・開発・調査手法を一変させる大きな可能性を実感させる、私たちMERIの研究員にとって非常に刺激的かつ衝撃的な内容でした。また、これから社会に旅立とうとする若い学生に対しては、建設コンサルタント業界の実務なども分かりやすく説明して頂きました。
 今回の講演会では、教員・学生を合わせて総勢30名以上の聴講者があり、それぞれからの質問もあって、大変有意義な講演会となりました。なお、株式会社ニュージェック様には現在、本学の大学院の修了生数名が就職し、主に水環境インフラの分野で大いに活躍されていることも併せて紹介されました。


講演の様子1 講演の様子2




12/2 2022

特別講演会

「フィラー分散高分子の電気抵抗の温度応答性」

講演者: 大阪公立大学 学長特別補佐 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻
      化学バイオ工学分野 有機・高分子化学研究グループ
        教授  堀邊 英夫 氏

 リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を有しており、ノートパソコンやスマートフォンから電気自動車に至るまで、様々な機器に搭載されています。しかしこのような高エネルギー密度電池は、機器の小型化に有利である反面、安全性に対する配慮も欠かせません。本講演では、リチウムイオン電池内の過電流保護として搭載されている永久ヒューズの研究開発について、製品開発に対する姿勢や考え方をわかりやすく解説いただきました。永久ヒューズとはポリマーに導電性粒子を高分散させた製品です。まずは、高分子の基本概念から動作原理の解説がなされた後、具体的な研究課題に対して、研究チームがどのように考えて、どのように取り組んだか、仮説検証の考え方や現場でのコミュニケーションが、実際の開発現場でなぜ重要視されているかをわかりやすく説明いただきました。また、製品開発における物理メカニズム把握の重要性についても、実体験を踏まえたご説明がありました。
 当日は、学部生や大学院の修士学生を合わせて15名程度の少数ではありましたが、その分、講演者と距離感の近い講演会となり、双方向のやり取りを含めた熱の入った講演となりました。将来の技術者の卵である学生らが何らかの刺激や収穫があったものと期待しております。


講演の様子1




11/2 2022

特別講演会

「産業用冷却技術のイノベーション
          ~共創が生み出すソリューションサービス~ 」

講演者: 株式会社前川製作所  執行役員 町田 明登 氏

 地球温暖化、エネルギー、食糧や資源の枯渇などの課題の解決には、これまでとは異なる方法で取り組むことが求められています。株式会社前川製作所は、産業用冷凍機メーカーとして、冷却・圧縮技術をベースとして、産業用冷凍機や低温倉庫、スケートリンクの製氷システムといった冷却技術を応用した製品技術のほか,食肉加工ロボット、病院や博物館から航空機における空調といった多様なニーズに答えるべく研究開発も進めています。本講演では、株式会社前川製作所が掲げる地域社会との「共創」をキーワードとした技術イノベーション、ソリューションサービスについてご講演いただきました。
 学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生の参加があり、講演終了後には参加者からの活発な質問もあって、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2