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3/132019

特別講演会 ~ 知能ロボットの最前線 (16) ~

「次世代社会インフラとしてのロボット技術」

講演者:大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 システムデザイン工学科
                          教授  上田 悦子 氏
    大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科
                          教授  野田 哲男 氏

メカトロニクス基礎研究所では、毎年「知能ロボットの最前線」をテーマに特別講演会を開催しており、今年で16回目を迎えます。今回は大阪工業大学の上田悦子教授と野田哲男教授をお招きし、ご講演いただきました。

上田教授は「ロボットをエレガントに動かしたい -人間動作の優美さ計測とモデル化-」と題し、「感性ロボティクス」と呼ばれるロボット研究分野に関して説明。人間の生活空間内で使用されることが増えるロボットにおいて、どのような動作であれば人に好印象を与えるかを、具体例を用いて紹介されました。このうち人間特有の「優美さ」を持つ日本舞踊やタイ舞踊などの動きから特徴を解析し、ロボットに望ましい動作を実現させるための取り組みなどについてお話くださいました。

野田教授は「World Robot Summitものづくり競技の舞台裏」と題し、「協働ロボット」というコンセプトで周到にデザインされた製品の開発が活発化していることや、その動きのひとつとして発足した「WRSものづくり競技会」について解説。ルール策定や運営の舞台裏などを紹介されたほか、研究開発が取り組むべき課題や解法、成果の究極は科学を基礎とするイノベーションによる幸せな未来社会のデザインであることを示されました。

特別講演会には多くの本学学生が参加。他大学の先生方から最先端のロボット研究に関する情報や技術を学ぶことで、今後、自らの研究や授業での取り組みなどに役立てようと、熱心に聴講していました。


講演の様子1 講演の様子2 講演の様子3




3/52019

特別講演会

「医療施設内電力グリッドの単独運転時における
 エネルギーマネジメント」

講演者:長崎総合科学大学 工学部 工学科 医療工学コース 講師 水野 裕志 氏

災害や電力系統の事故による停電時には、大病院では非常用発電機を稼働して3日程度は院内に電力を供給できる体制が整備されてきました。しかし、近年の大地震による大規模停電では商用電力系統が復旧するまでに約1週間を要したという報告があります。水野先生は、電力系統の異常を想定した単独運転時において、大規模病院内の非常用発電機に太陽光発電とバッテリーを併用し、安定した電力をできるだけ長く供給するためのエネルギーマネージメントシステムについて研究されており、その成果と今後の展望についてご講演をいただきました。昨今大震災が多発している現状から、春休み期間中の講演会にもかかわらず、大学院生をはじめとした多くの学生や教員が出席して興味深く講演を拝聴されていました。


講演の様子1 講演の様子2




3/42019

特別講演会(共催:実験力学会流れ分科会)

「流れと分離・抽出に関する講演会」

講演者:株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ 代表取締役社長
                        工学博士  岡田 治  氏
    大阪府立大学 工学研究科 物質・化学系専攻 教授   武藤 明徳 氏 

地球環境対策として省エネ型のCO2の分離回収が期待される「CO2選択透過膜」や、マイクロリアクターへの適用が期待される「異相交互流れ」の現状と今後の展望などについて、専門の講師2人からご紹介いただきました。まず、株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチの岡田治社長・工学博士からは、「CO2選択透過膜の開発とその応用」と題して、続いて大阪府立大学の武藤明徳教授からは、「異相交互流れの化学プロセスへの適用」についてご講演いただきました。

参加者は熱心に耳を傾け、化学プロセスの中で幅広い分野での応用が進められており、環境・エネルギー問題やモノづくりための重要な技術として期待されている「分離・抽出」について、理解を深められたように感じられ,有意義な講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2




1/162019

特別講演会

「卒業研究の具体例と研究成果の社会への還元」

講演者: 大阪電気通信大学  名誉教授  石井 徳章 氏

大学での4年次にはどこかの研究室に配属されて卒業研究を行うことになります。研究テーマの具体例として、大形水門崩壊の謎の解明と研究成果の社会への還元について、本学名誉教授の石井徳章先生にご講演いただきました。卒業研究としてこれまでに学生たちが関与してきた研究の成果についてご紹介いただき、その成果に対する企業からの評価および成果を用いた現在の取り組みについても解説していただきました。

学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生が参加しました。ご講演終了後には参加者からの活発な質問が多数あり、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2




1/82019

特別講演会(共催:英国工学技術学会日本支部)

「メタエンジニアリングから見たスマートコミュニティ」

講演者: メタエンジニアリング研究所 所長 (IEEE Fellow)  鈴木 浩 氏

最近、スマートグリッドやスマートコミュニティなどスマートのつく用語が広く使われていますが、スマートを定義しそれを定量化する研究はまだあまり進んでいません。本講演では、新しい考え方である メタエンジニアリングの視点から、スマートの定義を行い、具体的に、スマートグリッド、スマートメーター、スマートコミュニティを対象に定量化の試みを説明頂きました。大変高度な内容でしたが、具体的な事例で分かり易く説明頂きました。従来はハードウエアの量に比例して利益があったので、ソフトのコストとハードのコストが半々の時利益が最大になりましたが、最近はソフトとハードの相乗効果(掛け算)で利益が出て来るので、ソフトのコストがハードの3倍の時利益が最大になるとの説明がありました。Miningとして、タクシーの未来を考えるのではなく、未来のタクシーを考えるとuberがでてくる。課題の本質を掘り起こすことが重要とのお話がありました。また、電気自動車への充電を隣の家の充電器を用いて行い、それを自分の家の電気料金として精算することや、太陽光発電で得た電力の情報的に色付けし、それを架空の情報空間で取引することなどを紹介頂きました。

本講演はThe Institution of Engineering and Technology (IET:英国工学技術学会)日本支部(支部長:東芝 佐波実氏)との共催でしたが、講演は本学学生への配慮から冒頭の30分のみ英語で行われ、その後は日本語に切り替えて実施されました。基本的な説明を丁寧にして頂き、IETからの出席者、関西電力からの出席者を含め多くの方の出席がありました。

講演の様子1 講演の様子2




10/242018

特別講演会

「国内外の風力発電の現状と将来展望」

講演者: 足利工業大学 理事長/大学院工学研究科特任教授  牛山 泉 氏

再生可能エネルギーを用いた発電システムの代表的なものとして、また、環境問題解決の切り札として、風力発電が注目されています。本講演では、我が国の風力発電研究の第一人者であり、長年にわたり日本国内だけでなく世界の再生可能エネルギー関連研究を牽引されている足利工業大学の牛山泉先生に、国内外の風力発電の現状と将来展望についてご講演いただきました。風力発電の仕組みを知らない人も興味が持てるよう、初めに風力発電の基礎と現状について解説いただき、続いて、陸上および洋上での風力発電の現状について、風力エネルギー先進国でもある欧州諸国の例も挙げて解説いただきました。さらに、日本における風力発電導入の課題や風力発電の将来展望についてもお話しいただきました。

昨年度に引き続いての実施でしたが、学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生が参加しました。予定時間を過ぎても尽きないほどの質問が参加者からあり、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2