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3/202015

特別講演会

「エンジン技術の動向 トライボロジーと燃焼」

エンジンは自動車の動力源などとして進化し続けていますが、エンジンの高効率化が大きな課題です。エンジンはトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)に関する技術と燃焼に関する技術によって支えられていることから、これらの技術の基礎となる研究についてエンジン研究の分野でご活躍されている先生をお招きしてわかりやすく解説いただきました。


(1)「エンジンのトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)の基礎と
                      その研究について」

講演者: 東京都市大学 工学部 機械工学科 教授  三原 雄司 氏

エンジンはピストン、クランクシャフト、軸受など多くの摺動部品で構成されています。部品間には相対的な運動があるため、トライボロジー技術が重要です。講演ではトライボロジーの基礎から先端研究について解説いただきました。特に潤滑油膜測定の薄膜センサ技術は、講師が長年にわたり開発された高度な技術であり、これに関しても解説いただきました。


(2)「エンジン技術の動向と関連する燃焼研究」

講演者: 京都大学大学院 エネルギー科学研究科 教授  塩路 昌宏 氏

環境や省資源の観点からクリーンで高効率のエンジンが強く求められています。これには効率の高い熱力学的なサイクルを達成する必要があり、この最も基幹となる技術が燃焼技術です。有害排出ガスの少ないガソリンエンジンの高効率化への課題、高効率であるが排気に問題のあったディーゼルエンジンの排気浄化技術などについて解説いただきました。また、大学や企業で行われる先端燃焼研究についても解説いただきました。最後に、さらに高効率なエンジンを目指す産学官共同研究体制などについても紹介いただきました。


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3/182015

特別講演会

「知能ロボットの最前線 (12)」

メカトロニクス基礎研究所主催の「知能ロボットの最前線」と題する特別講演会も今回で12回目を迎えました。今回の講演会では、近年のロボット実用化に対する社会的な要求に対する活動である、災害現場での救助活動支援、原発事故収束作業、火山調査、惑星探査などの極限環境におけるロボット技術の実用化研究に取組まれている先生方3名にご講演いただきました。衣笠准教授からは、レスキューロボットのための新しい移動機構を採用した柔軟クローラロボットに関する研究の話題をご講演いただきました。奥川准教授からは、国土交通省が行っている「次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会」活動での実証試験に採択された災害調査ロボットである“Scotto”に関する研究の話題をご講演いただきました。三輪准教授からは同じく国土交通省が行っている「次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会」活動での実証試験に採択された飛行ロボットであるマルチダクトファンコプタ型調査ドローンに関する研究の話題をご講演いただきました。どの講演も、参加した聴講者の興味をそそる内容であり、参加者は60名を超え(学内43名、学外21名、合計64名)、質疑応答の予定時間を大きく超えるまで白熱した議論が交わされました。


(1)「やわらかいクローラ:柔軟全周囲クローラ
         ー レスキューロボットのための新しい移動機構 ー」

講演者: 岡山理科大学 工学部 機械システム工学科 准教授  衣笠 哲也 氏

近年、災害現場での救助活動支援、原発事故収束作業、火山調査、惑星探査など極限環境におけるロボット技術の導入が進められています。講演者の研究グループは、このような極限環境における不整地上や瓦礫内を移動するための機構として柔軟全周囲クローラの開発を行っています。柔軟全周囲クローラは単一のクローラベルトが上下左右に湾曲することで進行方向を変え、障害物を乗り越えることを可能としたものです。単一のクローラベルトで構成されるため、機体周囲のほとんどを駆動部(ベルト)で覆うことでさまざまな障害物に対して高い走破性を実現できる可能性を有しています。講演では、この柔軟全周囲クローラ開発の動機付けから出発し、同種のクローラ機構の歴史、さまざまな要素の設計、試作機による走行試験など、これまでの研究成果について紹介がありました。


(2)「受動適応クローラロボット「Scott」によるトンネル災害調査」

講演者: 愛知工業大学 工学部 機械工学科 准教授  奥川 雅之 氏

日本国内では、高度成長期以降に整備されたインフラ設備が20年後に建設後50年を経過する割合が加速度的に高くなります。これら社会インフラの崩壊や機能不全は人命や社会に大きな影響を及ぼすことから、適切な維持管理の必要性が望まれています。2014年から、国土交通省と経済産業省が連携し、社会インフラ構造物に対するロボット技術応用を推進する研究開発プロジェクトとして「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入」が始まりました。本講演では、本プロジェクトのトンネル災害調査分野に選定された「受動適応クローラロボットによる災害調査システム」の概要と現場検証実験結果についての紹介がありました。


(3)「マルチダクトファンコプタ型調査ドローンの開発」

講演者: 徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 エネルギー部門                            准教授  三輪 昌史 氏

無人ヘリコプタをはじめとする無人航空機は、人や車両が直接侵入できない場所にも進入できる機器であり、災害時の空撮による状況把握などに使用されています。そういう中で、無人ヘリコプタの一種であるマルチコプタに受動輪を取り付け、地上滑走機能を付加した機体を試作しました。通常は車輪で移動しますが、不整地や障害物がある場合は飛行することで障害の影響を受けずに移動が可能です。また、次のバージョンではダクトファンを用いることで、障害物に接触しても安全に作業を継続できる飛行機能と、SLAM 技術で作業中のマッピング能力の実現を目指しています。本講演では、国土交通省と経済産業省が連携した「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入」プロジェクトのトンネル災害調査分野に選定された「マルチダクトファンコプタ型調査ドローン」の概要紹介と、試作型での現場検証実験結果についての説明がありました。


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1/152015

特別プロジェクト報告会

「技術者として経験したダムゲートの振動事例」

講演者: 元Hitz 日立造船㈱ 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括
        大阪電気通信大学 客員教授  巻幡 敏秋 氏

工学の分野では振動・騒音に関連した問題が多く発生しています。振動は重大事故に繋がり、騒音は地域住民への音環境を悪くすることとなります。そのような問題解決のために、日立造船(株)で約40年間にわたっていろいろな経験をしてこられた巻幡先生に「技術者としての経験」と題してご講演いただきました。また、ダムゲートの水理・振動に関する事例とその解決法についても分りやすいお話をしていただきました。


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11/272014

特別講演会

「エアコン騒音、振動への対応」

講演者: 元パナソニック株式会社  大阪電気通信大学 客員教授  佐野 潔 氏

ルームエアコンおよびその主要構成部品である圧縮機、送風機、モータ等について、それらの概要と技術の変遷および騒音、振動に関する課題解決のために実施された検証実験や各種対処方法の一端について説明していただきました。


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7/312014

特別講演会

「氷特性と氷による水理構造物の事故例」

講演者: 元 日立造船㈱ 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括
                  大阪電気通信大学 客員教授  巻幡 敏秋 氏

工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生しています。ダムのゲートや水道管のバルブなどの水理構造物では、氷による事故も問題になっており、それに対して様々な対策、工夫がなされています。本講演では過去の事故例を用いて、その内容を分かりやすくお話しいただきました。


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7/212014

特別講演会

「Vibration Concepts Extended to Fluid Structure Interaction」

講演者: Charles W. Knisely, Ph.D., P.E., Professor
     Mechanical Engineering Department Bucknell University, PA, USA.

The simple model of a mass-spring-damper system will be extended to include some fluid structure interaction mechanisms such as Helmholtz resonator, cavity flow, whistles,flutes, pipe organs, vortex shedding, press-shut dynamic instability, and nappe oscillations.When possible, mechanisms of vibration will be demonstrated.


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6/272014

特別講演会

「Towards Sustainable Integrated Domestic Heating and Cooling Systems」

講演者: Charles W. Knisely, Ph.D., P.E., Professor
     Mechanical Engineering Department Bucknell University, PA, USA.

After a review of the historical development of domestic heating and cooling systems,an overview of future developments in integrated combined heating and cooling systems will be presented. In a post-fossil-fuel world, these developments may include various forms of tri-generation (power, heat, and cooling) systems, powered by biofuels, solar PV, and solar thermal sources. Other possibilities include solar PV-powered combined heating and cooling, solar thermal-driven combined heating and cooling systems.Recent developments in low-cost semiconductor materials as well as magnetic refrigeration will be reviewed for potential use in future cooling systems. Other systems such as the Ranque-Hilsch tubes and thermo-acoustic refrigerators will remain for niche markets in the future.