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3/142018

特別講演会(共催案件)

「日本実験力学会の『身体運動再建工学分科会』・
 『機械の流れ分科会』との共催講演会」

(1)「生物系粒子分散流体の数値流動解析」

講演者: 大阪電気通信大学 工学部 機械工学科 教授  山本 剛宏 氏

流体の内部に原子・分子レベルよりも大きなスケールの構造をもつ流体(複雑流体)において,生物を能動性を有する粒子(生物系粒子)と捉えることで、生物系粒子の分散系を新しい複雑流体のひとつとして考え、その流動を数値計算により解析しました。講演では、走光性微細藻類による生物対流とバイオフィルムについて紹介されました。



(2)「計算運動バイオメカニクスと医療福祉分野への応用」

講演者: 金沢大学 理工研究域 機械工学系 准教授 内藤 尚 氏

運動解析において運動バイオメカニクスに基づく計算機シミュレーション技術は有用なツールであり、身体や使用機器の力学モデルを基にして、直接計測できない身体内で働く力などを求める逆動力学計算、運動制御モデルを組み合わせることで運動を予測する順動力学計算、身体特性などを推定するパラメータ同定計算、などが可能となります。本講演では、各種シミュレーション技術の基礎と使い方、さらにその医療福祉分野への応用についての紹介がなされました。



(3)「電子制御を応用した高機能義足膝継手の開発」

講演者: ナブテスコ株式会社 福祉事業推進部 主席技師  奥田 正彦 氏

ナブテスコ(株)において,1993年に世界で初めて商品化された空圧電子制御の義足膝継手は,速度を自在に変化させながら歩くことを可能にしました。その後は油圧やリンク機構の応用により、様々な生活場面でも使用できるようにするための製品開発を行ってきました。最近はソフトウエアの充実により、使用者に多様性と選択性を提供するための研究開発を行っています。このような開発の過程で行った試験評価や国内外の販売で経験したことについて報告されました。





3/132018

特別講演会

「知能ロボットの最前線 (15)」

メカトロニクス基礎研究所主催の「知能ロボットの最前線」と題する特別講演会も今年で15 回目を迎えました。今回の講演会では、自動車の自動運転などで話題になっているロボットの自律移動技術にスポットを当て、「つくばチャレンジ」という技術チャレンジに取り組まれている2名の先生にご講演していただきました。つくばチャレンジとは、茨城県つくば市内の遊歩道等の実環境を移動ロボットに自律走行させる技術チャレンジで、地域と研究者が協力して行う、人間とロボットが共存する社会の実現のための先端的技術への挑戦です。つくばチャレンジは2007年から行われており、今までに大学の研究室や国立研究所、企業などから延べ500を超えるチームが参加し、自律移動ロボットの開発と、市街地での走行実験を行っています。今回は、つくばチャレンジの黎明期から運営に携わり現在は実行委員長をされている坪内孝司先生から、つくばチャレンジの歴史と社会的意義についてご講演して頂きました。また2017年の競技で設定課題を達成した筑波大学知能ロボット研究室(チームKerberos)のチーム責任者である伊達央先生からは課題達成のために必要な技術内容についてご講演して頂きました。両講演とも参加した聴講者の知的興味を刺激する内容であり、参加者は50名(学内45名、学外5名、合計50 名)に達し、質疑応答の予定時間を超えるまで白熱した議論が交わされました。


(1)「つくばチャレンジの今と未来」

講演者:筑波大学大学院 システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 教授 坪内 孝司 氏

つくばチャレンジは、つくば市内の遊歩道(公道)において、自律移動ロボットを走行させる技術チャレンジ会です。2007年から2017年まで毎年11月に開催され、これまで11回を数えています。スタートからゴールまで1kmないし2kmの走行予定経路が設定され、その経路を自律走行することが、このチャレンジに参加する移動ロボットに課されます。最近の5回ではこの自律移動中に数人の探索対象者の発見も課題として加わっています。例年、50チーム内外の参加があり、チャレンジ課題の達成をめざしています。大きな特徴は、参加チームが残す結果に優劣がつけられることはなく、課題達成チームにはすべてつくば市長賞が贈られることです。課題達成への道のりに複数の解があることを認め、これらの情報を相互に公開し合いながらこの分野の全体の技術レベルの向上をめざしています。本講演では、つくばチャレンジが開催されるにいたった経緯やつくばチャレンジのポリシー、さらに今後の運営などについて紹介されました。


(2)「つくばチャレンジ課題達成の技術解説」

講演者:筑波大学 大学院 システム情報工学研究科 准教授 伊達 央 氏

つくばチャレンジは、ロボットが1km以上先にある目的地に人の手を借りずに到達する試みです。課題をクリアするためには、目的地を見失うことなく、安定した走行で様々な事象に対応することが求められます。本講演では、最も重要案技術である自己位置推定技術について、講演者の参加チームが採用している方法を過去の経緯も踏まえて紹介されました。また、近年追加された信号機や人を見つけるという認識に関する技術についても課題達成につながった方法が述べられました。


講演の様子1 講演の様子2
講演の様子1 講演の様子2




10/292017

特別講演会

「皮膚のバイオメカニクスと臨床応用」

講演者: 文京学院大学  教授  福井 勉 氏 

皮膚のバイオメカニクス研究における権威である、文京学院大学の福井勉教授を招いて特別講演会を行いました。講演では、超音波診断装置や3次元動作解析装置などを用いた、基礎から臨床にわたる皮膚のバイオメカニクスに関する最新の知見を紹介していただきました。さらに福井先生のご厚意により、大幅に時間を延長し、受講者も皮膚運動の操作を実習するセミナーを実施していただきました。セミナー終了後の活発な質疑もあり、とても有意義な講演会となりました。当日は台風の上陸により開催が危ぶまれましたが、悪天候にも関わらず、多くの受講者に参加を頂き、盛況に終えることが出来ました。またメカトロニクス基礎研究所長の小笹俊博教授にもご参加をいただき、運営スタッフの士気が高まりました。(受講者 105名)


講演の様子1 講演の様子2 講演の様子3




10/252017

特別講演会

「国内外の風力発電の現状と将来展望」

講演者: 足利工業大学 理事長/大学院工学研究科特任教授  牛山 泉 氏

再生可能エネルギーを用いた発電システムの代表的なものとして、また、環境問題解決の切り札として、風力発電が注目されています。本講演では、我が国の風力発電研究の第一人者であり、長年にわたり日本国内だけでなく世界の再生可能エネルギー関連研究を牽引されている足利工業大学の牛山泉先生に、国内外の風力発電の現状と将来展望について講演していただきました。風力発電の仕組みを知らない人も興味が持てるよう、初めに風力発電の基礎と現状について解説いただいた後、陸上および洋上での風力発電の現状について、風力エネルギー先進国でもある欧州諸国の例も挙げて解説いただきました。さらに、日本における風力発電導入の課題や風力発電の将来展望についてもお話しいただきました。

昨年度に引き続いての実施でしたが、学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生の参加がありました。教職員や寝屋川市民、他大学教員の聴講希望者の参加もあり、大石学長にもご出席いただき、最後にご挨拶をいただきました。予定時間を過ぎても尽きないほどの質問が参加者からあり、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2




9/272017

特別講演会

「卒業研究の具体例と最新の研究成果」

講演者: 大阪電気通信大学  名誉教授  石井 徳章 氏

大学での4年次にはどこかの研究室に配属されて卒業研究を行うことになります。研究テーマの具体例として、大形水門崩壊の謎の解明とそれに関する最新の研究成果について、本学名誉教授の石井徳章先生にご講演いただきました。我々の生活に欠かせない空調機の心臓部である圧縮機に関する研究について、紹介していただきました。卒業研究としてこれまでに学生たちが関与してきた研究の成果と、それが実際にどのように役立っているのかについて解説いただきました。また、最新の研究成果についても平易な言葉で解説していただきました。

学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生が参加しました。ご講演終了後には参加者からの活発な質問が多数あり、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2