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2/262010

公開講演会

「知能ロボットの最前線(7) ―レスキュー工学とロボティクス―」

 メカトロニクス基礎研究所主催の「知能ロボットの最前線」と題する公開講演会も今回で7回目を迎えた。今回はレスキュー工学の分野の最前線で活躍されているお二人の先生をお招きしての講演でした。
 田所先生は元神戸大学助教授として阪神淡路大震災を契機にレスキューロボットの研究開発に取り組み、東北大学に移られてもこの研究を活発に継続されておりました。徳田先生も若手のレスキューロボット研究者として活躍されていますので、このお二人の先生の今回の講演には、これまで7年間の知能ロボット講演シリーズとしては近年で最も多い90名ほどの聴講者を集め、会場はほぼ満員となりました。聴講者は本学の教員・学生はもちろん、兵庫県立大学、神戸大学、四国の香川大学からも教員・院生の参加がありました。質疑応答時には、時間の調整に苦労するほど本学学生も含めて活発な質疑があり、盛況のうち終了しました。


(1)「災害救助現場におけるロボットの人間行動模倣」

講演者: 和歌山大学システム工学部 助教  徳田 献一 氏

【概要】地震による災害現場では,広い範囲において瓦礫が発生し移動の妨げとなる.本講演では,瓦礫上を何度も歩くことによって上手に歩けるようになる人間の歩行動作を対象とした,ロボットの行動模倣システムを紹介していただいた。


(2)「レスキュー工学とロボティクス」

講演者: 東北大学大学院 情報科学研究科 教授  田所 諭 氏

【概要】阪神淡路大震災を契機に始まったレスキューロボットの研究開発は,15年の時を経て実用化に近づきつつある.本講演では,講演者が中心となって開発を進めつつある,能動スコープカメラと,クローラ型ロボットケナフについて,最新の研究成果を紹介していただいた。


講演の様子1 講演の様子2




2/82010

バイオエンジニアリング講演会

メカトロニクス基礎研究所バイオエンジニアリング部門が、日本実験力学会・身体運動再建工学分科会との共催で、バイオエンジニアリング講演会を以下のとおり開催した。
(参加者:教職員10名(学外から2名)、院生・学部生117名)


(1)「次世代医工学融合によるインテリジェント自動医療システムの創出」

講師:神谷厚範先生(国立循環器病センター研究所 循環動態機能部 室員)

【概要】生体は、個体の構成体(分子、細胞、組織、器官)が各階層内や階層を貫いて組織化されたシステムであり、個体機能はシステムの動作として創発され、病態はシステムの失調として理解できる。しかし、生体は幾多もの閉ループ系で構成されているため、観察的手法ではシステム特性を理解することは困難である。そこで、開ループ法や介入的実験等の因果関係を明確にした手法で、生体機能をシステム同定して内部構造を理解すると共に、さらにそれを基盤として、システムレベルで生体機能を制御するインテリジェント医療の開発に取り組んできた。個々の患者の生体信号を受けて、生体病態モデルで内部構造を定量化(=診断)し、それを閉ループ下に制御(=治療)することを特徴とした、自律神経医療や自動循環管理医療など、臨床実用が手に届くところまで来ているものがあり、その一部として、以下の具体例を取り上げて紹介された。
 ・神経を翻訳し、脳と臓器を機能再接続するインテリジェント医療
 ・人工循環中枢によって、脳の血圧調節機能を再建するインテリジェント医療
 ・脳を超えたインテリジェント神経医療による心不全治療
 ・薬理的介入による集中治療医学循環管理のインテリジェント自動医療の開発


(2)「糖尿病治療のための浸透圧バルブ開発の現状」

講師:長倉俊明先生(大阪電気通信大学 医療福祉工学部 医療福祉工学科 教授)

【概要】糖尿病治療に重要なインシュリンの注入を自動的に行う浸透圧バルブ開発の現状が紹介された。糖尿病の血糖値だけが病的に上昇することを利用すれば、血糖値の上昇による浸透圧上昇でインスリンが注入されるように、生体に近いブドウ糖溶液を密閉空間に封入し、一部を透過膜で仕切ると、高血糖時には密閉空間内部の溶媒が外部に流出し体積変化が起こる。その体積変化を機械的駆動としてインスリンを注入する浸透圧バルブを研究してきた。浸透圧を決定する4要素(Naイオン、Kイオン、BS:血中グルコース、BUN:Blood Urea Nitrogen)の中で最大分子であるグルコースだけが通過できない透過膜ならば、グルコースだけが浸透圧を作る分子とすることができる。この原理を実現するために、光造形方を用いて浸透圧バルブを設計した。また透過膜についても、この研究用に最適化設計を行い製膜を行った。その駆動原理を動物実験でも検証し、浸透圧バルブをラットに移植して、血糖値変化でインスリンの注入が可能であり、2週間後も安定駆動していることを確認している。このように浸透圧駆動という生体にあるエネルギーを利用し、病気であることで大きく変化する血糖値の異常を利用して治療薬を注入するデバイスをヒトへ応用することを目指している。


(3)「岡山理科大学生体医工学科の紹介と現状」

講師:林紘三郎先生(岡山理科大学 工学部 生体医工学科 教授)

【概要】平成19年に開設した岡山理科大学生体医工学科の特色について、2年次から生体医工学の技術者、研究者の養成を目指した生体工学コース、臨床工学士の養成を目指した臨床工学コースに分け、各コース内で多彩な軽蔑カリキュラムを用意するとともに、先端的基礎研究と技術開発研究に取り組みながら岡山地域の医療機器産業、福祉機器産業と連携して人材育成に取り組んでいる状況が紹介された。熟練教員と若手教員のペアにより研究室をグループで運営し、熟練教員は外部資金の獲得に努め、若手教員の研究実績向上をはかっている。また、全国の類似の生体医工学科を挙げて、生体医工学関連学科が発展するための方策が提案された。学生確保については、数学、物理学を敬遠する学生が多く、魅力はあるが難しい分野に見え、低い知名度という課題がある。しかし、研究、産業の分野としては成熟ており、企業などには多数の関連技術者がいること、欧米では社会で周知の分野である。就職先については、企業や医療現場からの要望は大きく、国内でも就職先は十分で、資格(臨床工学技士、臨床ME専門認定士、ME技術者)の取得も可能である。今後、高校生に対して、企業に対して、一般社会に対して、協同して、生体医工学の周知をはかることが重要である。さらに教育については、学習事項が多数、多岐にわたるため、系統的カリキュラムが未完成で、適当な教科書が少ない。今後、カリキュラムの検討、教科書の編纂などへの連携が必要である。


講演の様子1 講演の様子2 講演の様子3




1/92010

特別講演会

「フラッター現象からみた振動翼船の推進、
          イルカ、カジキマグロの高速泳法」

講演者: 元 京都大学 工学部教授  松本 勝 氏

工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生している。そのような問題解決のために風工学の分野で長年指導的な役割を果たしておられる松本勝先生に、フラッター現象からみた振動翼船の推進、イルカ、カジキマグロの高速泳法について分かりやすいお話をしていただいた。


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12/182009

特別講演会

「堰ゲートの予備ゲート設置に伴う水理現象 
         及び気温・水温変化に伴う扉体変形」

講演者: 元Hitz 日立造船㈱ 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括 巻幡 敏秋 氏

 工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生している。そのような問題解決のために長年指導的な役割を果たしてこられた立場から、ダム放流設備の放流管系への水の影響、振動現象について分かりやすいお話しをしていただいた。


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7/212009

JEMA卒業記念特別講演会

(1)「おちこぼれ万歳 -私の技術論-」

 講演者 : 大阪電気通信大学 副理事長  水野 博之 氏


(2)「わが国電機産業の発展に貢献するJEMAでの経験
         ~文理融合の営業活動~」

 講演者 : 松下電器産業株式会社 元エアコンシステム事業部長
       松下冷機株式会社 元専務取締役冷蔵庫事業部長
       社団法人 日本電機工業会 元常務理   安立 正明 氏

安立正明氏は松下電器産業㈱で要職を歴任された後、わが国の電機産業界をリードする社団法人日本電機工業会(JEMA)事務局に入られ、常務理事として実に活発に活動してこられた。政府への産業政策に対する対応や産業界としての政策・税制改正への提言など数多くの実績を残しておられる。氏は理系出身であり、そのような立場で重要なマネージメントを数多く経験してこられておられるので、「文理融合の営業活動」という題目でお話をいただいた。講演に先立ち、本学 副理事長 ・ 松下電器産業㈱ 元 副社長の水野博之先生からも特別講演をいただいた。


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6/42009

特別講演会

「放水路流れの不安定現象」

講演者: 元Hitz 日立造船㈱ 鉄構・建機事業本部 設計本部 技術総括 巻幡 敏秋 氏

工学の分野では振動に関連した重大な問題が数多く発生している。そのような問題解決のために長年指導的な役割を果たしてこられた立場から、ダム放流設備の放流管系への水の影響、振動現象について分かりやすいお話しをしていただいた。


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