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1/14 2020

特別講演会(共催:英国工学技術学会 日本支部)

「ジェットファンインバータ換気制御とリスク解析手法による
 その定量的評価」

講演者:(株)創発システム研究所 取締役副社長 前(株)米国三菱電機研究所副社長
                        工学博士  坂口 敏明 氏

本講演では、欧州・豪州・日本における都市内複雑トンネルに関し、特にトンネル換気における電気設備に焦点を絞り、平常時の換気制御、火災時の換気制御について紹介されました。インバータを用いた換気動力盤の発明は換気における大きなブレークスルーであり、本発明の結果、受変電設備とりわけ変圧器のコンパクト化、換気ファン駆動時の省エネ、トンネル内風速の正確な制御、通信ケーブルへの障害解消、ジェットファンモータ巻線への電気的ストレスの削減、およびジェットファンモータベアリングへの機械的ストレスの解消などが実現可能となりました。また、火災に対する対策も重要です。その際、避難坑の間隔、火災時の換気・煙制御の方式、火災拡大を防止する水噴霧設備の起動タイミング、および交通流の制御などの設計オプションの定量的な評価が重要となります。講演では、オーストリアで開発され、特に火災時のリスクを定量的に評価できる「TuRisMo」について、また、実トンネルでのリスク解析の実施例についても紹介されました。

本講演はThe Institution of Engineering and Technology (IET:英国工学技術学会)日本支部(支部長:本学工学部 伊與田功教授)との共催でしたが、講演は本学学生への配慮から冒頭の30分のみ英語で行われ、その後は日本語に切り替えて実施されました。基本的な事項を丁寧に説明して頂き、大学院電子通信工学専攻の学生、学部学生、教員を含め総勢20名の出席者がありました。


講演の様子1 講演の様子2




12/21 2019

特別講演会(共催:日本実験力学会)

「廃水・廃棄物の資源・エネルギー化に関する講演会」

(1)「微生物燃料電池の含窒素有機性廃水処理への展開」

講演者: 群馬大学環境創生部門 社会基盤防災コース 教授  渡邊 智秀 氏

微生物燃料電池(MFC)は,細胞外電子伝達能を有する発電微生物による有機物代謝を利用して発電することが可能な仕組みで,有機性廃水処理への展開が期待されています。講演では,MFCの基本構成や特長に加え,有機性廃水に共存する窒素成分の処理を融合したMFCの研究動向や、高性能で廉価なエアカソードの開発へ向けた取り組みが紹介されました。


講演の様子1 講演の様子2

(2)「湿式の金属分離における協同効果の利用」

講演者: 大阪府立大学工業高等専門学校 環境物質化学コース 講師  倉橋 健介 氏

近年、レアメタルの供給不安を背景として金属資源のリサイクルが重要視されており、それには回収・粉砕後に目的の金属元素を分離する必要があります。湿式の金属分離法の一つである溶媒抽出においては、複数の試薬を同時に用いることで、各々を単体で用いたときよりも抽出が向上する現象が知られており、これを協同効果と呼びます。本講演ではこの協同効果を用いた溶媒抽出による金属分離の概要とその応用についての紹介がありました。


講演の様子1 講演の様子2

両講演とも,参加者には一般聴講者のほかに多くの学生の参加があり,活発な質疑が行われました。一般聴講者として,地方公共団体を顧客とした上下水道等のライフライン建設のコンサルタント会社からの出席もあり,下水道への展開が期待される微生物燃料電池に関する質問がありました。また,学生からも多くの質問があり,修士論文研究,卒業研究などに向けて、多くの知見が得られたものと考えられます。会場での質疑のほかに,業務の都合で出席できないとのことで、製鉄会社の技術者からの資料請求もありました。





12/18 2019

特別講演会

「津波・高潮防災技術の開発」

講演者:日立造船株式会社 社会インフラ事業部 鉄鋼・防災ビジネスユニット
                  フラップゲート総括  仲保 京一 氏

2011年に発生した東日本大震災では巨大津波による甚大な被害が発生しました。このような津波の被害や大雨による地下への浸水を少しでも防ぐことを目的として、自然の力を利用して、浮上するフラップゲート式津波防波堤(海底設置型と陸上設置型)の開発が積極的に行われてきました。本講演では、日立造船株式会社で防災事業をまとめるお立場でフラップゲート式可動防潮堤開発に携わってこられた仲保京一氏に、津波・高潮防災技術に関する実際の開発について、ご講演をいただきました。ご講演日の直前の2019年11月初めには、国内の3社が共同開発を進めてきた国内初の海底設置型フラップゲート式水門が完成し、扉体の試験操作の様子などが報道陣に公開されており、2020年春には岩手県の大船渡漁港にて実際に海底に設置されるという非常にホットな話題について、わかりやすくご説明いただきました。

当日は、学部三年生、修士学生合わせ、70名を超える学生が参加しました。大型の台風や大雨災害の続くなか、学生の防災意識も高まっていて、ご講演終了後には参加者からの活発な質問も多数あり、大変活気のある講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2




7/7 2019

特別講演会(共催:理学療法士のためのスキルアップ講座)

「野球選手のボディメカニクスとコンディショニング」

講演者: NPO 法人 野球共育塾 理事長  能勢 康史 氏

野球選手に対するコンディショニングの第一人者である能勢康史先生をお招きし、投球障害の予防に必要なボディメカニクスを、デモンストレーションを交えてご講演いただきました。(受講者:65名/ 本学教員、学生、卒業生、臨床実習指導者など)

投球動作を分析して指導していく際の具体的なポイントや主要な部位の理学的所見のとり方などの実演場面では、多くの受講生が積極的に前へ集まって、熱心に講師の能勢先生のお話を聞いておられ、非常に盛況な講演会となりました。


講演の様子1 講演の様子2